チャンスを活かして、富山を楽しむ!

キース・ケイレン さん、麻里子 さん

出身地:夫:カナダ、妻:射水市
現住所:富山市 移住年:2004年
職業:夫「SHIROKUMA INN Bed &Breakfast」オーナー、妻:会社員
しろくまイン
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2019年に富山市岩瀬エリアで開業された「しろくまイン」。カナダのバンクーバー出身、キース ケイレンさんと射水市出身の麻里子さんご夫婦で経営されているB&B(Bed&Breakfast)スタイルの宿です。海外から富山へ移住されて約16年、自然に恵まれた場所でクリエイティブかつ柔軟に、思い描いた生活スタイルを実現していらっしゃるお2人のご様子を伺うことができました。

“Natural”な富山はバンクーバーに似ていた

―富山に移住された理由

カナダで出会ったケイレンさんと麻里子さん。カナダ永住を考えていましたが、一度、麻里子さんの生まれ育った場所にも行ってみようと、2人で日本を訪れることに。最初、東京に降り立った時、ケイレンさんは「ビルも人も多すぎて住めないな」と思ったそうです。その後に訪れた富山は、海や山があり自然が多く、カナダのバンクーバーにも近い印象。「ここなら住めそう」と感じ、富山への移住が決定。 “Natural (自然)”な環境が気に入ったそうです。

最初は麻里子さんのご実家のある射水市で生活を始め、現在は富山市の岩瀬エリアで、「しろくまイン」を経営しながら暮らしています。

歴史ある街、岩瀬地区

―お2人が暮らす富山市岩瀬地区について教えて下さい。

「「しろくまイン」のある富山市岩瀬地区では、古くから岩瀬曳山車祭があり、春ごろになると地域の人たちで、曳山車(ひきやま)が手作りされます。曳山車の制作に参加したことはありませんが、お祭り当日に参加しています。ただ、ここ2年はコロナ禍で開催されておらず、まだ2回くらいしか見たことがありません。」

「県内の他地域でも、曳山祭りを開催するところがあります。曳山の維持費用を毎月お支払いする地域もありました。他から来たら、そうした習慣になじみのない方もいらっしゃるかもしれないし、文化維持や保存のための費用を住民が負担する地域があることは、事前に分かっていると良いかもしれないですね。」

「岩瀬に移住してきて、ご近所の皆さんのオープンな雰囲気を感じました。「しろくまイン」は、土蔵や廻船問屋が並ぶ大通りから1本外れた道にあります。ご年配の方も多く、空き家もあり、男手や人が増えたら歓迎されているように感じます。」

「主人が自宅の外で作業をしていると、ご近所の方が話しかけて下さり、私より主人の方がこの辺りのことを良く分かっています(笑)。」と麻里子さん。

岩瀬曳山車祭

空き家探しとタイミング

 ―家を探す際、どんな風に探しましたか?何か方法はありますか?

「空き物件は沢山あると思います。日本の方は新しい物件が好きなので、私たちが購入したどの家も、もしかしたら避けられるかもしれません。主人は日曜大工が趣味なので、直しながら住むことを楽しんでいます。何軒か見て、これは主人の腕で直せるかどうかとか、建物の構造がきちんとしているか等、お互いに見極めていました。」

「元々売りに出ている物件は探しやすいのですが、空き家と分かっていても売りに出ていない物件では、持ち主が分からないこともあります。その場合、ポストにお手紙を入れてみたり、近所の人に聞いたり、問い合わせたりしていました。ちょっと時間がかかっても、お返事をいただけることはありました。ただ、持ち主がまだ売却を望んでいなかったり、持ち主の希望する売却価格と、富山での相場価格との感覚が違い過ぎて、折り合いがつかなかったりということもありました。」

「岩瀬で持っている複数の家は、全部売りには出ていない物件でした。現在の自宅やしろくまインの物件も、空き家の空気を入れ替えていた持ち主の親戚の方や、ご近所の方が、夫に話しかけて下さり、中を見せてもらった流れで譲ってもらいました。本当にご縁もありますが、動き出したら早いという感じですね。」

“Timing is everything! (タイミングがすべて!)” とのこと。

移住後のくらしや仕事のこと

―カナダと日本で食生活は違うと思いますが、食材の購入等、不都合はないですか。

「コストコがあるので大丈夫!外国の食材も購入できます。自分で料理するのも好きなので、自由に食べたいものを作って食べている感じです」とケイレンさん。

―海の近くを好んで住まれている理由はありますか?

「海が好きなので!今はそこまで海に近くはないですが、以前住んでいた場所は目の前が海で楽しかったです。他の海にも遊びに行ったり。」

海の近くで気になったことをあげるとすれば、海岸のゴミが多かったこと…。

「射水市には清掃のボランティア登録があり、清掃道具を提供していただき、時々ゴミ拾いをしていました。湾だからか、風向きによっては、大量のゴミが打ちあがり、その大半は県内のゴミのようでした。」

—移住の際、お仕事はどのように見つけましたか?

日本移住が決定して、ケイレンさんは英語を教える仕事をしようと、カナダにいる間にセカンドランゲージ(英語が第二言語)の人に英語を教える資格を取得。

富山に来てからは、YMCAでの講師から始まり、企業や国際交流協会、小学校や、海外赴任前の方への指導等、様々な形で英語を教える仕事に携わってきました。

「一旦決まってしまったら、わりと次々と決まりました。」

カナダではもともと、ホテル関係の仕事をしていたケイレンさん。その経験を活かした仕事を希望していましたが、日本で同職種への就職は難しいと考え、自分たちで民泊を運営することはできないかと、少しずつ可能性を探っていったそうです

「しろくまイン」のパティオ 天気の良い日に

富山駅からポートラム(路面電車)に乗って、岩瀬へ向かうと、そこには歴史を感じさせるレトロな街並みが広がっています。「しろくまイン」は、岩瀬エリアを散策できる場所にあり、ケイレンさんの手作りが込められた、とても温かい雰囲気の宿です。

今後の目標について

「セカンドロケーション!!もう一軒増やしたい。」とのこと。

旅のひととき、朝食メニュー

富山の旅の途中に、ぜひ皆さんもしろくまインに滞在してみてはいかがですか。ローカルなお話が聞けますよ。そして、カナダの朝食(ブレックファースト)もぜひ食べてみて下さい。

最後に一言

“Toyama has lots of potential and opportunities for future growth.
Why don’t you give Toyama a chance to be your home.”

(富山には将来の多くの成長の可能性と機会(チャンス)があります。
富山にあなたの故郷になるチャンスを与えてみてはいかがでしょうか。)

「おすすめは、真夏に一回、真冬に一回来てみることでしょうか。
湿気が多くてとにかく暑いけれど、海も山も存分に楽しめる夏。目には美しいけれど湿気を含んだ重い雪が降り、寒いけれどお魚は最高に美味しい冬。この二つを毎年乗り切れると思えれば、春と秋は天国ではないかと思います(笑)。 」