2019年9月9日(月)、環水公園に面した立地にある「富山県美術館」を会場に、「移住・転勤ママと知事との座談会」が開催されました。

この座談会は、石井富山県知事と、転勤・移住によって富山県へ移り住んだ子育て中のママが、「富山のくらし」をテーマに、意見を交わすものです。富山県へ移り住まれた方の、生の声を直接伺い、今後の県の移住施策へ活かすことを目的としています。
当日は11名の転勤・移住ママが参加し、富山県内で転勤族のサポートや移住促進等の事業を行う「TENKIN NOTE」の松田悠さんのファシリテートのもと、次々に意見を発言していました。
○富山に来て良かったこと、驚いたこと
○富山の暮らしで、不満・不安に感じること
について、参加者全員から自由に意見が述べられました。
以下に、主なご意見を紹介します。
<良かったこと、驚いたこと>
開口一番に挙がったのは、やはり「自然環境・食環境」に関することでした。水が美味しい、魚が美味しい、海のある暮らしが嬉しいといった声が続きました。その他にも、
- 認定こども園が多いので、末子は幼稚園でなく、未満児から、こども園を利用しました。預けることで「転勤族でも”働く”という選択肢」が広がりました。
- 新幹線があるおかげで帰省もしやすくなりました。
- 子育て支援センターや公園、子ども向けのイベントが多くて、子育てしやすいです。
などといった声が挙がっていました。
また、「子ども達の芸術活動に対するバックアップが非常に高く、また子どもの活躍にスポットを当てる文化が根付いているように感じています」という意見も挙がりました。
<不満・不安に感じること>
- 年度末に転勤で富山へ来ましたが、そのタイミングからの保活が想像以上に大変でした。
- 「待機児童ゼロ」と聞いていたのに待機児童になってました。働きたいのに働けず片道30分以上の園を案内されました。途中入園の難しさを痛感してます。
- 小1の壁で校区内の学童が見つからず大苦戦。今は校区外の学童を利用しています。
- 公共交通機関を利用していますが、バス停の時刻などが調べづらくて困ってます。
- 子どもを2人連れて、出掛ける際に、ファミリートイレやおむつ交換ができる施設が少なくて困っています。
- 病児保育が足りなくて、さらに小学生対応の病児保育がないので、小学生に上がってからの子どもの発熱時の対応にはかなり悩まされています。
- 路面電車は便利だけどベビーカーでは道がガタガタで困るシーンが度々あります。
- 公園が少なくて、駐車場が停められなかったり、混雑しすぎていたりします。
- 空き家や商店街の活性化に取り組んで欲しいです。
- 用水路などに蓋がされていないので、落ちそうでドキッとすることがあります。
これら以外にも、さまざまな声が挙がっていました。

こうした参加者からの意見や質問に対し、石井知事からは以下の意見や回答、情報提供が行われました。
- バスの時刻に関しては10月から「バスロケーションシステム」が導入されます。公共交通の運行情報が分かりやすくなります。
- 小学生の病児保育ニーズがあることがわかりました。
- 学童は今280施設くらいあり、1学校に1施設くらいはあるようになってきましたが、受け入れ時間等の問題があるという声もあるので対応を検討します。
- ファミリートイレの必要性はとてもよく分かりました。普及に向けて検討したいです。
- 18:00以降も預かる学童は110数か所と増えてきています。
- 新たに整備する「県防災・危機管理センター」内に県庁内保育所も開所予定です。一般利用もできる計画です。
参加者からは、
「これまでいろんな県で暮らしましたが、知事が県民の声に耳を傾けてくれる場所はありませんでした。」
「一人一人の意見を聞いてもらえて、”検討します”と言ってもらえて、嬉しかったです。」
といった声が多く寄せられました。

座談会の後は、ランチを食べながら、知事と会話を交わしたり、参加したママ同士で交流したりと、終始なごやかな会になりました。

