朝日町の東部に位置する笹川地区。三方を山で囲まれた小さな集落ゆえ、昔は山を越えなければ町に出ることができず「秘境の里」と呼ばれていました。現在はトンネルが開通し、町の中心部まで車で約 10 分の便利な立地ですが、集落の中心をさらさらと流れる笹川や山あいを心地良くそよぐ風など、
日本の原風景そのままに美しい景色が残っています。

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四季折々に様々な表情をみせてくれる

 

集落がまるでひとつの家族のよう

近年、移住者や移住希望者が増えている笹川地区。
その理由のひとつは「ひとつの家族のように、地区の絆が強いこと」だと話してくださったのは笹川地区自治振興会 会長の小林茂和さん。主に県外で働いていましたが、定年退職後、地元に帰りました。

「ゆっくりするつもりでしたが、いざ戻ってみるとまだ元気だし、余力があるなと。自分が育った地域に恩返しするのもいいんじゃないかと、地区実行委員会の活動に参加することにしました」

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さゝ郷ほたる交流館で笹川の田園風景を楽しむ小林さん

 

県外在住の笹川出身者の声に押されて祭りを復活!

地区実行委員会は、若い踊り手が減り1999年を最後に途絶えていた「盆踊り」を復活させることを決めます。

「きっかけは東京在住の笹川出身者の声でした。懇親会で『盆踊りがないと帰省しても寂しい』と言われたんです。彼らの地元への思いを知り、あまり難しく考えずに、とりあえず1年だけ復活させてみようと 10 年ぶりに開催することにしました」

会場となった笹川の総氏神・諏訪神社には、地区実行委員会の予想を上回る多くの人が参加し大盛況に終わり、その後の反響も大きく、今では笹川地区を代表する行事のひとつに。

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子どもから大人までみんなで輪をつくる盆踊り

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子どもたちも一生懸命練習した獅子舞を披露

 

移住者の声にヒントが隠されていました

盆踊りの復活や特産品の開発などの活動を通して、集落が注目されるようになり少しずつ移住者や移住希望者が増えていきました。
住民が増えることは嬉しいけれど、その現象を不思議だと感じていた小林さん。

「何でこんな小さな里山集落に移住したいと思うんですか??」
そんな小林さんの質問に、移住した方の答えは…
「景観もさることながら、笹川の一番の魅力は子どもたちに“安心・安全”な地域です」

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移住者のコケシュ知子さんと一緒に記念撮影♪

 

「よそ者」ではなく「家族」になってほしい

「移住者の方の答えにハッとしました。自分たちがあたり前だと感じていた、地区の絆や近所の方との距離感は、外の方からみたらとても貴重なものなんだと。そして、それは時代に流されずに先祖代々が大切に受け継いできた、集落の宝物なんだと気づきました」。

やみくもに集落の人口を増やすために活動するのではなく、住民と移住者が気持ちの良い関係を築き、笹川が永くあり続けることができるための広報活動をしていこうと小林さんは心に誓います。

「笹川に住む以上は、一緒に“安全・安心”を守っていってほしいんです。草刈りや季節の行事、集落の会合などにしっかり参加するというのも、受け入れる際の条件のひとつです。時代に流されずに、先祖代々つないできた“おせっかい”の精神が、笹川という集落を守ってきました。移住者の方には、お客さんやよそ者気分ではなく笹川という家族の一員になり、未来を一緒に作っていってほしいと思います」。

教えてあげる!地域の情報

さゝ郷ほたる交流館

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笹川地区への移住を考えている人が、風土、文化、人にふれながら地域の暮らしを体験できる施設。地区が見渡せる縁側からの眺めは素晴らしく、笹川に一目惚れしてしまう人が多いんだとか…!

電話0765-82-2870

さゝ郷ほたる交流館

移住へのこだわり

マッチングを大事にするのが笹川流!

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小林さんは、移住者と住民とのマッチングをとても大切にしています。笹川への移住を希望する人には、何度か足を運んでもらい、地域のことを知ってもらう機会を必ず設けます。時には、家の持ち主や近所の人との“お見合い”時間をセッティングすることもあるそうです。