金屋町の定住促進のため、空き家情報の発信や、若手職人、子育て世代の住みやすい仕組みづくりに取り組んでいる金屋町元気プロジェクト。そこで委員長として精力的に活動されている加藤昌宏さんにお話を伺いました。
空き家の現状
2012年に重要伝統的建造物群保存地区に選定された金屋町。現在でも美しい町並みや受け継がれてきた伝統が残されています、しかし年々人口が減少し、空き家も目立つようになってきました。
「空き家があると苦情が出るのですが、解体費が土地代よりも高いため撤去できないというのが現状です。また、重要伝統的建造物保存地区なので外観は改装してはいけないという決まりがあります。家を売りに出す空き家は、改修費を事前に調べて移住希望の方に聞かれても大丈夫なようにしています」。と話す加藤さん。美しい景観と町の活気を残していくために、やることも問題も山積みです。
それでも最近は少しずつ良い方向へ向かっています。「持ち主の方の中には、貸してもいいという方も出てきました。今後は金屋町に興味を持てくれた方がお試しで住むことができる移住体験施設を作りたいなと思っています」。
石畳の美しい町並みが残る金屋町
地域で子どもを育てる
加藤さんはこれまで金屋町で地域の方々の関係を大切にしてきました。「町として後世に残してあげられるものは、人付き合いや町づくりだと思います。子どもは地域で育ちます。だからおじいちゃんや、おばあちゃんが近所の子どもたちに声をかけ、時には叱ることも大切です。そんな環境を作っていけたらと思います」。しかし金屋町では現在は小さい子どものいる世帯が少ないのが現状。若い世代が住める町づくりのためにも、空き家対策への取り組みに力が入ります。
自分たちの町を自分たちで守りたい
金屋町では高岡鋳物発祥の地として、現在も鋳物職人をはじめとするものづくりの職人が町の産業を支えています。その良さをさらに伸ばしていくためにも、若きクリエイターが集えるような工房も作りたいと目を輝かせる加藤さん。これからの金屋町に期待が膨らみます。
最後に、どんな人に金屋町にきてほしいか伺いました。
「町を継続して行くためにも、これからは次の世代に住んでもらえる町づくりをしていく必要があります。自分たちの町は自分たちで守る、そういう町づくりを一緒にしてくれる人がきてくれたら嬉しい。一緒の目的を持ってみんなで取り組んでいきたいです」。