現在の暮らしについて「本当に楽しいんです。今やっていることは一生の財産になると思います」と笑顔で話す姿が印象的だった上澤聖子さん。あさひふるさと体験推進協議会に勤務し、様々な企画に取り組んでいらっしゃいます。上澤さんの活動は?そしてここはどんな町?朝日町を紹介する窓口として活躍されている上澤さんにお話をお伺いしてきました。
あさひふるさと体験推進協議会の事務所がある「なないろKAN」にお邪魔しました
交流を通して気づく町の良さ
福島県会津出身で、移住者でもある上澤聖子さん。富山県の職員、農業の経験を経て現在のあさひふるさと体験推進協議会の職員になりました。現在は体験型教育旅行を中心に、観光交流事業、移住定住促進事業を行っています。
「初めは子ども達が対象だったのですが、旅行会社さんから声をかけていただいたことや、朝日町への移住者が増えていることをきっかけに徐々に事業の幅が広がりました。これまでは「朝日町には何もない」という地元の声も多かったのですが、体験者からの「朝日町っていいところだね」という声を聞き、地元の方々も朝日町の良さに改めて気づいてくれることが増えてきました」。
なないろKANのレストランで上澤さんがお世話になっている、地元のお母さんと遭遇
地域で子どもたちを育てていこう
あさひふるさと体験推進協議会の体験型教育旅行では、朝日町の農山漁村の暮らしを体験することができます。その中でもこれから力を入れていきたいのが修学旅行生の「民泊」の受け入れ。朝日町では平成28年5月に初めて体験型修学旅行生の「民泊」受け入れを実施することとなりました。泊まるのはなんと朝日町の地元の方の家。知らないお家に泊まり、農業や漁業のお手伝いを通して生まれる「あったかい心の交流」は都会の子どもたちには貴重な体験です。
「民泊受け入れの講習会でも地元の皆さんが自主的に意見を出してくださって、地域の交流も深まっているように感じ、ありがたいなと思います。楽しみながら継続していけるよう丁寧に進めていきたいです」。
この日はきっと町中に中学生が溢れることになると話す上澤さん、嬉しそうです。
恩返しの気持ち
すべての事業において上澤さんが意識していることは、「人の営みの背景を伝えていくこと」。
営みの背景には、受け継がれてきた想いや歴史があります。それを知ることで地元の人と参加者の「心の交流」が生まれるそう。
「2日間の朝日での暮らしを体験した女子大生は第二のふるさとができたと言ってくれました。現在は朝日町に恩返しがしたいと、夏の海の家を企画してくれています。嬉しくて涙が出ちゃうよね。私も朝日町に対して同じ気持ちなんです」。
朝日町に来てからの暮らしは地元の方々にお世話になることばかりの毎日。恩返しをしたいという気持ちが上澤さんの活動の原動力になっています。
あさひふるさと体験推進協議会が企画する春夏秋冬のふるさと体験交流
コンパクトだから気づくことができる
20代〜40代の移住者が増えている朝日町。その変化がわかりやすいことも、朝日町の良さなのだと上澤さんは話します。
「なんとなく近所の様子がわかる、顔が見えるという1万人規模の小さな町だからこそ小さな変化も感じ取れるのが朝日町の良さだと思う。様々な活動を通して移住者と朝日町の人との交流も増え繋がりもできたので、その変化が町の人にとっても大きな原動力になっています」。
それまではあまり交流のなかった若い人たちの繋がりも、ここ数年でぐっと強くなりました。「若い人の中には何かしないといけないと思う人もいて、行動する人が増えてきました。得意なことを活かして体験の際に協力してくれる人もいます。これからも仲間として関わってくれる人を増やして、私自身ももっと朝日町のいいところを見つけていきたいです」。
移住体験モニターツアーで出た、地元のお母さんの手作り宮崎名物のタラ汁
受け継がれてきた豊かな暮らしを大切に
最後にどんな人に朝日町に来てほしいですか?と伺いました。
「今は若い人が少ないので、地域の担い手になる覚悟も必要だと思います。運動会やお祭り、共同作業などの町内の行事も大変なこともありますが、人と知り合うことのできるきっかけとなるのでどんどん参加するというのが大切だと思います。
朝日町で感じる豊かさは、受け継がれてきた暮らしだからこそ感じるのだと思います。その暮らしを大切にしていける仲間を増やしていきたいなと思います。朝日町ファンが増えるといいなぁ」。
上澤さんのお気に入り
- ヒスイ話の本
ヒスイ海岸でのヒスイ探しは子供たちも夢中になって探します。
- お茶セット
上澤さん愛用のお茶のお道具。朝日町の指物師が作られた「楊枝」と「古帛紗(こぶくさ)」
- バタバタ茶のセット
朝日町でお祝い事や仏事の際に飲まれてきたバタバタ茶のセット。バタバタと茶筅で泡立てる時間がまた良い。
- 写真
「とやま観光未来創造塾」の仲間との写真。楽しかった思い出もたくさん聞かせてくださいました。
- 名刺入れ
八尾の桂樹舎さんの名刺入れ。これは5代目。
- 冊子
上澤さんの好きな本、秋田のフリーペーパー「のんびり」・伊藤まさこさんの「日々」
- 手作りの小物
ヒスイ海岸で拾った石や、朝日の「Jinen」手作りのブレスレット、木のフクロウなど思い入れのあるものばかり
教えてあげる!地域の情報
ニューシネマパラダイスの世界
大正時代に建てられ昭和45年に幕を閉じた映画館「朝日劇場」。
現在は見ることはできませんが、上澤さんがイベントで見学できる機会を作りました。
移住へのこだわり
まずは朝日町の体験ツアーへ!
エコロの森主催で朝日町のガイドツアーが定期的に開催されています。ヒスイ探しや、フィッシング&クッキングツアー、カメラ散歩など楽しめるものばかり!まずは参加して朝日町に来てみませんか?