高岡市生まれの山下さんは、富山県立大学短期大学部環境工学科(当時名称)で物質の性質の不思議さに感動し、新潟県にある長岡技術科学大学の工学部材料開発工学課程3年に編入。
そこで修士課程に進学・修了後、「学んだことを活かして環境保全に役立つ仕事がしたい」と就職し上京されました。

いろいろな仕事や活動を経験しながら、ビオトープ管理士の資格を取得し、日本の環境保全の現状を概観したそうです。
その後、「人間のさまざまな活動が自然を活かしたかたちでできる方法を考えたい」と、ビオトープ管理士の通信教育をしている「人と自然の研究所」に勤務。
「ビオトープ」という視点をもって土木や農業、土地利用を考える分野に関して、知識やネットワークを広げられました。

そこで培った知識・経験を地域の現場で活かしたいという思いをもって、平成17年に、富山県にUターンされました。

 

高岡に帰ってみると、さまざまな市民活動(男女平等・共同参画、福祉、観光ボランティア、まちづくり等)が活発に行われていることに驚いたそうです。
また、環境面でも地域の意識が高まるなか、多くの企業が参加し活動している「富山県ビオトープ研究会」があることに感動し、富山の生態系保全を考えた産業や教育を応援したいと、そこのアドバイザーをしたり、富山国際大学で兼任講師としてビオトープ論を担当されたりしています。

一方、いろいろな分野で活動してきていた地元の女性たちと一緒に、持続可能な地域づくりを目指して活動しようと、このほど、NPO法人「Nプロジェクトひと・みち・まち」(以下、Nプロジェクト)を設立されました。

 

このNプロジェクトは、
「地域に生きる“人”を大切に、地域の骨格である“みち”に着目し、さまざまな知恵を活かして「まち」をつくり育てることに寄与する」ことを目的とした団体だそうです。
今後、県西部6市の女性たちとネットワークして、道路や建築などのインフラ整備に女性の視点から提案を届けていくとのことです。

 

山下さんは、次のように話されています。
「持続可能な社会づくりをめざして、自然・文化・人という地域資源を活かすソフトの面と、道路などの社会資本整備のハード面とを一体として考え、そこにいろんな立場の人のアイディアや得意分野を重ねていきたいですね。
最近は、これまで学習やボランティアをしてこられた先輩の女性たちと行政や企業の男性たちと話し合うことで、新しい可能性がみえてきました。
女性の視点には持続可能性に必要な視点が多いと気づきました。
それを地域づくりにいかしていきたいと考えています。
過去の良いものを現代につなぎ、未来のための地域スタイルとして提案し、みんなの力のつなぎ役になるNPO法人として行動していきたいと思います。」

 

また、山下さんは今年6月から12月まで、「とやま起業未来塾」の地域づくりリーダー養成講座を受講し、『住みたい地域づくりの鍵は自転車! みちと交通から「高岡スタイル」をつくるプラン』で、みごとに特別賞を受賞されました。
その意志が、早くも一歩前進したわけです。

「自転車は、環境に良く、地域に分布する魅力を五感で感じながらフットワーク良くめぐれる交通ツールとして注目しています。
歩き、自転車、車の道の役割分担や、公共交通との連携ネットワークを、行政・企業・市民協働でつくっていきたいと思います。」
今後の活躍が期待されます。

 

25山下久美子さん

 

最後に、富山に移住しようとする方に対して、山下さんからのメッセージです。

「全国どこでも、いえ地球のどこであっても人との出会いが大事。
勇気を出してその地域の人の中に飛び込んでください。
富山県人はシャイな面はあるものの、実は親切な人が多いのです。
自分の想いをどんどん地域の人に話しかけてみてください。かならず反応があると思います。
富山県、そして高岡市の人には、保守的というイメージ以上に新しいことに挑戦するという積極的な面があります。
一度外に出て改めて地元を見ると、自然も、文化も、人も、まだまだ知らない可能性がいっぱいで奥深いおもしろさのある地域だと感じています。
ぜひ一度、ゆっくり見に来てください。Nプロジェクトの仲間がご案内します。」

 

▶︎NPO法人Nプロジェクトひと・みち・まちリンク