富山市の千石町通り商店街にある、日本のワインと野菜の創作料理のお店vege&barシンバル。オーナーの山本真司さんは富山に移住して14年目、独立してご夫婦でお店を始めて5年目になります。「住む場所にこだわりはないですよ」と話す山本さんにとっての現在暮らす場所はどんな場所なのか、お話を伺ってきました。
富山出身の山本さんはご両親の転勤で幼少期から高校まで三重県で過ごし、進学で上京。大学卒業後に富山に帰ってきました。とはいえ、ほとんど富山での生活を経験したことのなかった山本さん。この先ずっと富山で生活すると決めた訳ではありませんでした。
「ちょうど両親がいたことや、就職が早く決まったこともあり富山の会社に入社しました。全国に支社のある会社だったので、いずれは他の場所にも行ってもいいかなと思っていました」。
そんな中でも、富山での生活で大切なものが増えたと話してくださいました。
「日本のワインの美味しさを知ってほしい」と山本夫妻
郊外から中心部へ
高岡の居酒屋で4年間修行をして、調理師免許を取得した山本さん。その後奥さまのゆうさんと富山市の中心街から少し離れた郊外でCAFE&DINER HARRYHAUSENをオープンします。現在の店舗は山本さんが独立して2店舗目のお店です。営業の仕方を変えようかと考えていた時に、お客さまから「お酒が飲みたい」という声もあり移転を決意。営業時間をお昼の時間から夜の時間に変更し、2014年の10月に移転リニューアルしました。
「お酒を出すということで比較的駅から近いことや、今後近くに商業施設もできるということで現在の場所を選びました。今は駅前の飲食店に行かれる方が多いですが、こちらにも来てくれるようになればいいなと思います」。
郊外から中心街に移り、それまでは無かった商店街との繋がりも生まれました。「近くのお店の方が食べに来てくださいますし、他店のお客様が帰りに寄ってくれることもあります。これまでは完全に郊外だったのでそういった面白さがあります」。
カウンターの奥で作られる美味しい料理
シンバルには色鮮やかで見ていても嬉しくなるメニューがたくさん。こちらは「彩り野菜のテリーヌ」
こちらは「豆乳ムースサラダ」
出会った人との時間を大切に
音楽、映画、フェスなど趣味も多い山本さん。共通の趣味を持った人が集まれるイベントを企画することもあります。そういった活動からお店を通じて仲間の輪も広がるようになりました。
「フェスの前には決起集会をして、フェスの会場でもみんなで集まるんです」と笑顔で話す山本さん。その〝みんなで楽しむ“スタイルが、長く続く繋がりを作っているようです。
「大人になるまでほとんど富山で過ごしていないので、富山に対する深い思い入れは無いのが正直なところです。でも過ごしていくうちに、出会った人たちと過ごした時間が大事になって場所が好きになりました。ここで飲食店をやっているのも人との繋がりがあってこそだと思います」。
一緒にお店をされている東京出身のゆうさんも「こちらに来て地方出身の方ともたくさん出会うことで、自分の地元も見つめ直せました。10 年ちょっと過ごして、富山に帰ってきてほっとするようになってきました」と富山での生活を振り返ってくださいました。
出会いを大切にされているお二人の人柄に引き寄せられて、また繋がりが広がります。
山本さんが企画したイベントにて。たくさんの参加者で賑わいました
山本さんのお気に入り
- 山本さんが毎年欠かさず、行っているFuji Rock Festivalのタイムテーブル。お客様とも現地で合流するなど、趣味を通しての繋がりがたくさんあります。
- たくさんの野菜を使った創作料理がシンバルの特徴です。富山の野菜もたくさん使っています。
- 富山のホーライサンワイナリーのワイン。日本のワインも美味しいものがたくさんあることを伝えたいという想いから、国内のワインを揃えています。
- ショップカードは山本さんのデザイン。
- 山本さんが一番好きな Oasis の CD。
シンバルが店舗を構えている千石町商店街。大正時代にできたと言われる、富山市の千石町通 り商店街。飲食店や、銀行、家具屋など 36 の店舗や事務所などが入っています。