徳渕さんは、ご夫婦で、今年7月26日、長崎県から富山県氷見市に定住してこられました。
取材日は8月29日なので、定住1ヶ月です。
体育の先生をしていた徳渕さん。以前から好きだった山登りが昂じて
「退職後は山の近くで、畑を耕しながら過ごしたい。ついでにおいしい魚が食べられるところがいい」と考えていたところ、地元の長崎新聞でUIターンの記事を見つけ、富山県内あちこちの市町村に手紙を出しました。
特に剱岳が好きということで「剱岳の見える市町村で、空き家を斡旋してくれるところはありませんか」と書いたところ、ある市の担当者から「氷見市で空き家情報を提供している」という情報をもらい、早速市役所に電話しました。
ここで対応してくれたのが企画広報室の岩坪さん。
すっかり岩坪さんと氷見市が気に入り、早速平成19年2月に夫婦で氷見市を下見。
市役所の車で市内の空き家を案内してもらいました。
そのうちの1軒を気にいった徳渕さん、3月には購入を決めてしまいました
(もっともその直後、能登半島沖地震があり心配したそうですが、家も氷見市もなんともありませんでした)。
家は約30年前に建てられた木造住宅で、前の家主の紹介で内部をリフォームし、念願のウッドデッキも付けました。
「当初やりたかった畑は、買った家には畑がないので、近所で借りるつもり。
でも引っ越したその日から、近所の人が野菜を持ってきてくれましたし、この間は町内会のバーベキュー会にも招待されました」。
ご近所にはお年寄りが多いので、恰好の話し相手の到来と見られているのかもしれません。
取材日の前日と前々日は、用事で長崎に行っていたそうですが、ご主人が「長崎に戻っていました」というと、すかさず奥さんが「戻るじゃないでしょう」と合いの手。
富山を故郷にしようという意気込みが感じられます。
ただし、最大の心配は「長崎はまったく雪が降らないけど、近所の人の話では一昨年たくさん降ったと聞いたので、冬はどうなるのでしょう」ということ。
雪道での車の運転、道路までの雪かきなど、周りが相当脅かしているようです。
まあ、最近はあまり降らないので大丈夫でしょう(たぶん)。
それから「富山のドライバーは運転が乱暴ですね。こちらが『出てこないだろう』という距離でも脇道から入ってくるし、ゆっくり走っていると怒られる。ウインカーを出すのも遅いし、出さずに曲がる人もいる」と手厳しい。
富山弁については
「私たちと話すときは気をつけてくれるので別に気にならないのですが、
お年より同士が話しているのはさすがに半分位しかわかりません」そうです。
定住してまだ1ヶ月。
「そのうち、長崎ちゃんぽんでも近所の皆さんにご馳走しようかな」と奥さん。
「バレーボールを教えていたので、ママさんバレーか小中学生のお世話をしたい」と旦那さん。
そうそう、その調子。あせらず、地道に地域へ溶け込んでください。