プロのガラス作家を育成する専門教育機関、
『富山市立 富山ガラス造形研究所』の卒業生である鈴木俊也さんは、愛知県出身。
ガラス作家を目指そうと決めたのは東北大学在学中で、卒業後の2010年に研究所のある富山市へ。
2012年より朝日町にある『なないろKAN』の工房でガラス作家として活動。
代表作のひとつ「そらとぶきんぎょ」の風鈴など、季節感を感じる、暮らしに取り入れやすいガラス作品を多く手がけています。

 

08鈴木 俊也さん

 

—ガラス作家になろうと思ったきっかけを聞かせてください。

幼少期から、ガラスの透明感や柔らかな雰囲気が好きでした。
モノづくりの仕事に就きたいと、大学では機械工学を学んでいましたが、段々「自分の手でつくる方が向いているのでは?」と感じるようになって。
そんなとき、ふと思い浮かんだのが、昔から好きだったガラスでした。
大学在学中に、宮城県で体験教室を開いているガラス工房を探し、1年間通いました。
この工房の先生から、ガラスを学ぶならとてもいい環境だと、富山ガラス造形研究所を紹介してもらい、大学卒業を機に一念発起し、受験しました。

 

—現在の工房で働くまでのいきさつを聞かせてください。

研究所では造形科を専攻し、ガラス造形の理論や技法について基礎的・総合的に学びました。
同級生は10代から50代まで幅広く、出身地や人生経験も様々で、とても良い刺激になりました。
研究所を出てすぐの独立は難しいと考え、最初はどこかの工房に所属して勉強したいと思っていました。
そんな矢先、助手の方の紹介で、朝日なないろKAN内にある今の工房を知りました。
縁あって朝日町に来て、技術力の高い先輩のもとで創作活動が出来たことは、とても大きな経験になりました。
その先輩がこの春独立され、今は自分が工房を任されています。

 

08鈴木 俊也さん03

 

—ふだんのお仕事や創作活動について聞かせてください。

なないろKAN ガラス工房では、コップ・ペーパーウェイト・一輪ざしなどのオリジナルガラスを製作できる「吹きガラス体験」を行っています。
お子さまや初心者の方でも、気軽にガラスをお楽しみ頂けます。
また、週1回で講座も開いており、こちらでは地域の方と交流しながら、ガラスをより深く知って頂くことが目的です。

館内で展示販売する、ガラス作品も製作しています。
ここの工房では、干支や雛人形・兜・風鈴などの季節物の作品に、特に力を入れています。
中でも私は、動植物をモチーフにした作品を多く制作しています。
自分自身が幼少期にガラスの動物を見て感動したように、より多くの方にガラスの美しさを感じてもらえたらと思います。
また、最近ではひとりひとりのご要望に応じたオーダーメイドの作品も増えてきました。
ここに来たら他にはない良いものに出会える、この人に頼みたい、と思っていただけるような作品づくりを目指しています。

 

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—富山暮らしの感想を聞かせてください。

朝日町は、富山県の中でも豊かな自然が多く残っている貴重な場所です。
ここに住み始めて3年余りになりますが、日々移ろう四季折々の自然には今でも感動します。
都会は人工物が多く、街にのみこまれそうな感覚があります。
ここ朝日町では視界を遮るものが少なく、自分と向き合いながら落ち着いて創作できます。
思い切って富山に来て、何が好きだったかを思い出すきっかけや、本当に作りたいものに気づかせてくれる環境にも恵まれ、本当に良かったと思います。
今ある環境とたくさんのご縁に感謝して、これからもより良いものを発信していきたいです。

 

▶︎なないろKAN