群馬県出身の中川雅貴さんは、大学の農学部で学んだ後、2011年4月より高岡市国吉地区で緑のふるさと協力隊隊員として活動されます。
1年の任期を終えて農事組合法人国吉活性化センターに就職。
水稲を中心に農業に取り組んでいます。

 

09中川 雅貴さん

 

—富山に住むきっかけは?

雪の降るところで生活してみたいと思っていました。
また、富山県は農業法人が多い県です。
大規模農業をやりたい、これからは農業法人だと思い、緑のふるさと協力隊に応募し、富山県内の受け入れ先である国吉を選びました。
隊員の頃は、山の仕事や竹の間伐、里山交流センターの手伝いなどの他、営農組織で1年を通して水稲栽培の作業を手伝いながら学びました。

 

—今のお仕事について教えてください。

隊員の任期を終えて、りんご栽培か集落営農か選択肢がありましたが、営農の方が楽しかったので、そちらに進みました。
現在、水稲30町、麦25町、冬はビニールハウスで葉物野菜を育てています。
集落では、営農に依頼する田んぼが増えています。
しかし、営農には私以外68歳以上の人しかいません。
このままでは5年後くらいに組合員が引退になり、私一人になる恐れがあります。
営農に関わる人を増やすことが急務です。

農作業以外にも、職場のホームページの運営を行っています。
地域にはパソコンが使える人がほとんどいないため、自治会の仕事のお手伝いもしています。
また、HITS(氷見射水高岡地区青年農業者協議会)と言う3地域の青年農業者の協議会の集まりに参加し、情報交換や勉強をしています。

 

—富山の暮らしはいかがですか。

富山は寒いイメージがありましたが、夏が蒸し暑くてびっくりしました。
水が豊富でお米が美味しいです。魚も種類が豊富ですね。
通勤ラッシュや家が狭いなどの都会暮らしのストレスがありません。
また、国吉は市街地に近く、完全な田舎ではないところが心理的に安心します。

雪は最初の1年目はきれいだと思いましたが、降った雪が溶けづらく、どんどん積もります。
隊員の時住んでいた家は、除雪車が入らない場所で、50mくらい自力で除雪をしなければならず大変でした。
関東のように静電気や空っ風がないのは良いですね。

今は地域の年配の方が自然と趣味を楽しむ「悠遊会」の活動場所である一軒家の2階を間借りしています。
地域の人たちとのコミュニケーションが多く、野菜を頂くこともあります。

 

—今後の夢をお聞かせください。

今以上に田んぼが増えたら、他の利用方法として水田放牧を考えています。
飼料代がかからず肉牛が肥育できます。
また、アニマルセラピーや観光資源としても活用できないかと思っています。
臭いで苦情が出る恐れと、冬場の雪対策が課題です。

夏に友人が遊びにきたときに、ここはいいところだと言ってくれました。
空き家を活用して週末宿泊ができればと考えています。
地域の資源を使った仕事作りをしたいです。
自分で工夫した仕事作りの方が楽しいと思います。

地方への定住は、自給自足やボランティアでは難しいと思います。
地方にあるものを活かして生活できる仕事が作れたら、もっと定住する人が増えるのではないでしょうか。

 

▶︎農事組合法人 国吉活性化センター