富山県では珍しい、おふたり揃って在宅で仕事をしている水木さんご夫妻。
東京からUターンし、デザインのちからで富山の魅力を発信されています。
—上京したのは?
(一葉さん)
大学進学で上京し、卒業後、プロジェクトデザインの会社に就職しました。
会社が経営するレストランでホールスタッフをしながら、デザインの仕事をしていました。
(琢也さん)
8年前、彼女が富山へ帰省中に出会いました。
彼女が東京へ戻るのを追いかけて、東京へ行きました。
東京では保険会社のヘルプデスクに勤務していました。
—Uターンのきっかけは?
(一葉さん)
以前からいつかは富山に帰ろうと思っていましたが、何となく東京に住んでいました。
東日本大震災が起き、このまま住み続けてよいのかと思うようになりました。
また、仕事で富山の生産者さんとの関わりがあり、地元にいた時は知らなかった富山の魅力に触れ、富山に帰ろうと、2013年4月、実家のある滑川市にUターンしました。
会社は退職せず、富山事業部として引き続き仕事をしています。
(琢也さん)
母がひとり暮らしをしていたので心配だったのと、結婚を機に2013年6月、Uターンしました。
1年間ほど塾講師をし、その後ウェブデザインの会社を創業しました。
「えびぶりとやま」というサイトを友人と立ち上げ、住んでいる人の目線でユーモアも交えて富山の情報を発信しています。
これをやりたくて、ウェブデザインを仕事にすると決めました。
今は他にも開発中で、電子黒板やクラブ活動PRサイトなどを考えています。
—富山の暮らしはいかがですか?
(一葉さん)
東京では飲食の業務もしながらデザインの仕事もしていました。
帰りが終電になることもたびたび。終電でも満員で辛かったです。
職場の賄いで何とか栄養を摂っているような状態でした。
今は東京とメールでやりとりしながら自宅で仕事をし、必要なときに東京へ出張します。
メインはチラシ、ポスター、リーフレットなどの制作です。
会社が企画する、隣県でのイベントの事務局をすることもあります。
地域の人からデザインを頼まれることも。
また、地域の女性4人でKO・RA・REという団体を作り、砺波市の魅力を発信しようと、着地型ツアーの企画をしています。
このほかにも富山で始めた活動で、いろんな年齢層の人と出会う機会が増えました。
今の暮らしにとても満足しています。
(琢也さん)
東京では野菜が高級品。価格の上下が激しいです。
今は、自宅の隣で畑をしたり、近所の方からいただくことが多いので、食費が抑えられています。
富山に戻ってから食べ物が美味しくて太ってしまいました。
東京はお店の選択肢が多く、家で時間をかけて料理を作ることが少なかったです。
一人暮らしなら東京もいいですが、家庭を持ったら富山の方がいいと思います。
東京は人が多くて、自由度が少ない。富山は気持ちが楽に過ごせます。
逆に富山の田舎は、公共交通本数が少なく、飲みに行けないですね。宅飲みが多くなりました。
東京時代は週1回くらいしか車を運転しませんでしたが、富山では必需品です。
車にかかるお金は増えましたね。
東京は道が狭くて運転しづらいですが、富山は道が広く運転しやすいです。
混雑も少ない。気をつけて運転すれば、初心者の方でも大丈夫だと思います。
砺波市は、住みやすいです。のどかだけど、日常の買い物に不便はありません。
富山市へも金沢市へも同じくらいの距離なので、どちらにも行きやすいです。
砺波のまちのひとつ出町では「夜高まつり」があり、町内の人の熱意がすごいです。
地域に残る文化があるのも魅力です。
—移住を考えている方にアドバイスがあればお願いします。
(一葉さん)
好きなところ探しができる方が移住に向いていると思います。
富山にずっと暮らしている人は、おもしろいところや魅力に気づいていなかったり、知っていても売り込むことをあまりしない印象。
移住した人のほうがそれらを見つけて発信していると感じます。
▶︎えびぶりとやま
▶︎KO・RA・RE 〜となみ野の魅力発信グループ〜