“しんきろうの見える街・魚津”の若き料理人、美波呂哉さんは、県外で料理の修業をし、2009年に魚津へUターン。
現在は、魚津駅前にある日本料理の店「海風亭」の料理長であり、修業時代に出会った能登出身の奥さまと2人のお子さまの4人家族です。

 

20美波 呂哉さん

 

—県外で料理の修業をされたそうですね。

高校を卒業してすぐ、料理の修業のために石川県金沢市へ行きました。
修業をするなら、北陸が良いと思っていました。
石川と富山は食材も食文化も共通する点が多く、自分のやりたい料理にいかせると思ったからです。
東京や大阪など、大都会に出ることはあまり考えませんでした。
こういうと語弊があるかもしれませんが、都会と地方では、一人ひとりの重要度が違うような気がします。
都会には店も料理人もあふれています。
地方ではちょっとトガッたことをすると注目されたり、「面白い」「がんばってるな」と声をかけてくれる人がいたり。
やっていて、楽しいですね。

 

—魚津で暮らしていて良いところ、不便なところはありますか。

地方の良さは、「人」と「人」との距離が近いこと。
魚津は地域のコミュニティが残っている方だと思います。
外を歩けば、顔見知りの人に合い、何かしら声を掛け合います。
人によっては、それをわずらわしいと思うかもしれませんが、こうして店をやっていたり、家族をもったりすると、本当に有難いなと思います。
不便なのは、車がないと移動が大変なこと。
でも、逆に車があれば、コンパクトな県なので端から端までの移動も近くて便利です。

 

—料理人にとっては、魚津はどんな土地ですか。

食材ということでは、魚津はすごく恵まれています。
海にも山にも近く、魚のイメージが強いかもしれませんが、米や野菜もおいしい。
何より水がおいしい。そういう素材の良さを素直に料理で生かしたいと思っています。
また、海風亭は魚津駅のすぐ目の前にありますので、「魚津の味の玄関口」として、料理で魚津を案内できたらと思っています。
その一つが「魚津物語 ごっつお丼シリーズ」で、しんきろう、埋没林、僧ヶ岳など、魚津を料理で表現したオリジナル丼です。
食べながら、魚津のことを知り、興味を持ってもらえたらと、それぞれ絵本のようなメニューブックも手づくりしました。
それから、店内のアンテナショップ「食伝じゅんかん屋」は、「魚津異業種交流会」でいろんな業種の方と知り合ったのがきっかけです。
和菓子、干物、漆器、ミラたんグッズなど、魚津の特産品を紹介しています。

 

—料理を通じた地域の交流はありますか。

若手でつくる「魚津調理師会」のメンバーで勉強会をしています。
そこでよく話すのは、「まちづくりは、人づくり」だということ。
たとえば、駅前をすこし整備したところで、それでどっと人が集まるとは思えません。
それよりも、地域を良くしよう、元気にしようと考える人たちが集まれば、おのずとまちに活気がでてくると思います。
そういう人をつくっていきたいと思っています。
それは、地元の人間だけでなく、市外から魚津に移住してきた人が入ればなお面白いですよね。

 

—今後の目標を聞かせてください。

料理のコンテストで優勝すること!
水産物を使ったご当地料理を競う「Fish-1グランプリ」で、2014年に魚津漁協が応募したバイ飯(魚津で揚がったバイ貝の炊き込みご飯)が準グランプリを獲得しました。
「魚津のような地方のまちに、すごい料理人がたくさんいるぞ」と、まちのイメージにできればと勝手に思っています。

 

—移住を考えている方にメッセージをお願いします。

料理人なので、料理を通じたことしか言えませんが、料理人を目指すのであれば、富山は一見の価値があります。
富山県は、本当に食材に恵まれたところ。
魚にしろ、米や野菜にしろ、抜群にいい。そして、水がいい。
その中で料理をできるのは、本当に幸せなことだと思います。

 

▶︎日本料理 海風亭