神奈川県で生まれ育った橘川絢花さんは、大学卒業後、東京都内にあるテレビ局の番組制作会社で2013年3月まで働いていました。
同年11月、お母さまの故郷である富山市へIターン。
まちづくりとデザインの会社「株式会社ワールドリー・デザイン」に就職し、県内の地域の方とともに魅力や情報の発信を行う「せけんデザイナー」として活躍中です。

 

19橘川 絢花さん

 

—富山へ移住しようと思ったいきさつを教えてください。

富山市内に母の実家があり、定年退職を迎えた父が「空き家にするのはもったいない」と、両親が先にこの家に移り住みました。
私はちょうど転職しようとしていた時期でした。
両親の引っ越しを手伝うために富山へ行く機会が増え、両親の暮らす様子を見ているうちに、富山の暮らしに魅力を感じ始めていました。
就職活動を進める中、今の職場で働くことが決まり、両親とともに暮らし始めました。

 

—今の仕事に就くきっかけは?

東京の会社ではネット制作物やテレビ番組制作に携わっていました。
媒体が大きいため、人との距離が遠く、相手の顔が見えませんでした。
また、職場は都会のど真ん中で、街のなかは人がものすごく多く、混沌としていました。
それはそれで刺激的ではあるのですが、色んな人の思いや考えが頭の上に吹き出しになって見えるようで、疲れることが多かったと思います。

大きく仕事の内容を変えることはできないけれど、地域やそこに住む人と近い距離で情報発信をする仕事がしたいと思い、転職を考えました。

ネットやハローワークで地域密着型の仕事を探していた時に、ワールドリー・デザインのホームページを見つけました。
会社のコンセプトや業務内容に、自分がやりたいことと近い思いが見てとれ、デザイン経験がなく不安はありましたが応募を決めました。
代表の明石あおいさんから「工夫ある履歴書で思いを伝えて」と言われていたので、技術はともかく、思いだけでもしっかり伝えようとイラスト付きの手紙を添えて履歴書を提出しました。
明石さんに気持ちが伝わり採用されたときは、とても嬉しかったです。

 

—どんな仕事をなさっていますか?

地域や商店街の印刷物、病院の広報誌、カレッジガイドブック、ショップカードなどの制作が中心です。
お客さまとの企画、取材、写真や素材集めをし、デザイナーとともに作り上げています。
東京時代よりも忙しいときがありますが、仕事はとてもやりがいがあり、楽しいです。
富山は、お客さまの顔が見え、距離が近いです。
反面、人とのつながりがないと物事が進まない環境もあり、良くも悪くも直に関係を築かなければならないこともあります。
それも刺激があって楽しいですね。
東京では満員電車での通勤でしたが、富山では自分の車で通勤しています。
ふと目に入る美しい景色に気持ちが浄化されます。
自然が自分を受けて止めてくれるようで、気持ちが楽になります。
精神的に追い込まれることがないと感じています。

 

—富山の暮らしはいかがですか?

休みの日は、両親を誘って出掛けたり、ひとりでドライブすることもあります。
県内は山と海が近く、日帰りで楽しめる場所が多いです。
近隣の金沢や高山、新潟、長野へちょっとした小旅行も楽しめます。
最近は美術館通いがブームです。富山の美術館はちょうどいい規模で人も多くなく、観賞しやすいです。
他にもトークショーやワークショップなどのイベントにもよく参加するようになりました。
都会では情報がありすぎて、行きたいところが見つけられなかったり、どこも人が多すぎて気が進まず、そのようなところに出かけることは少なかったように思います。

 

—今後やってみたいことは?

近所に住んでいる方や仕事で出会う地域の方は、自分より年上の方が多いです。
みなさんとの交流は楽しく、学ぶことも多いですが、同世代の仲間を見つけることもしていきたいです。
富山は、まちのことを考えている人がたくさんいて衝撃でした。
若い人でも、まちのことを理解しようと考えている人がいて、さらに驚きました。
そんな方たちと触れ合う機会がほしいと思っています。
また、まちのこと以外でも、共通の楽しみを共有したり、交流できる仲間も見つけたいですね。