緑のワゴンで自然栽培の野菜を配達する「自然育ちの野菜宅配 ITAL Food Market」の廣吉耕さんは、埼玉県出身。
運命の出会いから、導かれるように北陸へ。
はじめは石川県能登町へ移り住みますが、平成26年8月より富山県氷見市へ。
市の空き家バンクで物件を見つけました。

 

01廣吉 耕さん

 

—埼玉から石川県能登町を経て氷見市に移住したいきさつを教えてください。

埼玉では、家具や建具、キッチンの取り付けの職人として働いていました。
大手ゼネコンの高層マンションでの仕事が多く、工期を守るために働いているような日々でした。
時には、夜中や翌朝までかかることも。
職人として、いいものをつくりたいと言う思いとのギャップを感じていました。
日々の暮らしでは、自然なものや環境に配慮したものに関心があり、自然食品店に通って、食品や洗剤などを購入していました。
あるとき、そのお店で自然栽培のことを知りました。
有機栽培は知っていましたが、自然栽培は無肥料で栽培できると初めて知り、関心を持ちました。
自然栽培をもっと知りたいと、体験や研修の受け入れ先を調べると、埼玉県と富山県氷見市にあるとわかりました。
せっかくなら行ったことのないところにしようと、平成24年9月に、氷見の農園へ体験に行きました。

体験は1日のみでしたが、別の日にある、氷見有機の里づくり協議会の最初の会合に来てみないかと誘われました。
一旦は断ったのですが、参加した方がよい気がすると思い直して、行ってみることに。
そのとき、ひとりの若いお百姓さんに出会いました。
彼も自然栽培に取り組んでいました。この出会いは大変大きなものでした。
移住後は、彼のおかげで、どんどんネットワークが広がっていきました。

農業体験のあと、3日間能登半島を一周し、能登の自然にすっかり魅了されました。
一旦は埼玉に帰り、建築の仕事に戻りましたが、能登での感覚が忘れられず、移住を決めました。
能登町の空き家情報バンクを利用し、平成25年5月に能登町へ引っ越し。
同年の8月に野菜の個人宅配の仕事を始めました。
きっかけはやはり、自然栽培の野菜と畑に感動したことです。
自然のままの生命力がある野菜だと実感しました。
友人に野菜を送ったら喜んでくれたので、いいものを伝えることを仕事にしたいと思いました。

野菜の個人宅配を始めてからは、協議会の会合の時に出会ったお百姓さんの家に週3〜4回通い、野菜を入荷していましたが、能登町からは片道2時間。
ときには泊めてもらうこともありました。
「氷見に住めば?」とも言われましたが、能登町の家の環境が最高だったので、なかなか決心できませんでした。
しかし、仕事が忙しくなると、能登町の家に帰るのが2週間に1回になることもあり、能登町の家を残しつつ、高岡市にアパートを借りました。
やはり氷見に住もうと思い、市の空き家情報バンクで今の家を見つけ、平成26年8月に引っ越しました。
能登町を離れることや住んでいた家がまた空き家になってしまうことは心苦しかったですが、すぐに新しい方が入居してくれたので安心しました。

 

—氷見の暮らしはいかがですか。

やっと暮らしが落ち着いてきた感じです。配達エリアからも近くなり、便利になりました。
納屋があることや、自分で野菜が作れるところがとても良いです。
ゆくゆくは自給できたらと思っています。
正直なところ、配達だけではまだ収入面が厳しいので、経験を活かして建築業の短期アルバイトをすることもあります。

 

—今後の目標は?

食や環境に意識の高い人たちひとりでも多くの方に、自然栽培の野菜を食べてもらいたいと思っています。
地域の人にも食べてもらいたいですね。
まだ野菜の入荷量が少ないので、自然栽培の野菜を作る農家さんが増えてほしいですね。

 

—移住を考えている人にアドバイスをお願いします。

考え過ぎないことです。必要以上に考えると動けなくなってしまします。
動けば人とのつながり、出会いがあります。
やってみて、何かあれば、そのときに考えれば良いと思います。
都会の仕事は、安定した収入があっても満たされない感じがありました。
時折、千葉県などの自然豊かな場所に行ってリフレッシュしていました。
都会の人は、ストレスを感じたまま暮らしています。田舎暮らしに憧れる人は多いと思います。
きっかけがあれば、ぜひ動いてみてください。自然と関わっている方が豊かになれますよ。

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