富山市山田地域の地域おこし協力隊・長谷川雄紀さん。ある一冊の漫画との出会いがきっかけとなり、縁もゆかりもない富山で暮らしています。優しい笑顔とともに自然体でお話ししてくださった長谷川さんの、ちょっぴりユニークな移住物語をご紹介します。

hasegawa1

爽やかな笑顔が青空にぴったりです

人生を動かした一冊の漫画

生まれも育ちも東京都板橋区。デザインの専門学校を卒業した後、アルバイトをしながら将来の道を考えていたある日、面白い漫画があると友人にすすめられ読んだのが、マンガ家との兼業猟師・岡本健太郎氏が描いた「山賊ダイアリー リアル猟師奮闘記」。狩猟の世界の奥深さとジビエ料理に興味を抱き、友人と二人、狩猟の免許取得へ向けて動き出します。

「驚くかもしれませんが、狩猟をしてみたいと思った理由は、漫画に描かれていたジビエ料理が本当に美味しそうだったからです(笑)。イノシシやウサギ、カモ、今まで食べたことのない動物たちがどんな味がするのかをぜひ味わってみたいと思ったんです」。

hasegawa3

一つひとつ丁寧に答えてくださったインタビュー

すごいのは長谷川さんの行動力。狩猟をしてみたいと思い立ってから約半年後、漫画をすすめてくれた友人とともに第一種狩猟免許を取得します。

「免許を取得後、実際に狩猟ができる場所探しを始めました。当初は東京から通える場所を探していたのですがなかなか見つからず、もう少し範囲を広げて調べてみたところ、候補にあがったのが富山県でした」。

富山県を一度も訪れたことがなかった長谷川さん。2015年8月、下見がてら東京から高速バスを使い富山観光に訪れます。

「最初の印象は、静かなところだなあと。富山駅に着いたのが早朝で、お店も閉まっていたので当然なんですけど(笑)。とりあえず海を見に行って、美味しい海の幸を食べて…不動産屋さんに行って物件探しをしました(笑)初めて訪れた場所なのに自然に富山の空気に溶け込めました。不思議ですよね〜」。
その後、物件探しなどのため3回ほど通い、2015年9月には富山生活をスタートさせます。

出会った“人”が繋いでくれる道

トントン拍子に進んだ移住計画でしたが、縁もゆかりもない場所で、狩猟免許を生かした仕事を見つけるのは簡単なことではありません。
そんな時、アドバイスをくれたのが富山県定住コンシェルジュの竹内真理子さん。竹内さんのすすめで、富山市八尾の山あいにある集落・大長谷(おおながたに)で開催された「とやま帰農塾」に参加します。長年循環農法に取り組んでいる農園で、野菜の収穫をしたり、生きている鶏をさばく貴重な体験をさせてもらいました。

「竹内さんをはじめ富山にきてから様々な人に助けてもらいましたが、ここでも素敵な出会いがありました。帰農塾を企画しているスタッフの方が僕に興味をもってくれて、山田地域が地域おこし協力隊を募集していることを教えてくれたんです。狩猟の免許を生かすことができそうな地域だったのですぐに履歴書を送りました」。

hasegawa6

山田地域のお母さん達と特産品「啓扇桜」の収穫作業中

地域おこし協力隊としてできること

長谷川さんが地域おこし協力隊として活動する山田村は、富山市の南西部に位置し、標高100mから1,000mに集落が点在する中山間地域です。過疎化・高齢化の悩みを抱えていますが、棚田が広がるのどかな環境に加え、スキーや温泉が楽しめるスポットがあるなど、新しい可能性を潜めた地域資源があります。

長谷川さんの主な任務は「福祉×農業」をテーマとし、地域の活性化に取り組んでいくことですが、狩猟免許を生かした活動も考えています。

hasegawa2

山田地区へ入る看板の前で記念撮影!

「地域おこし協力隊を教えてくださったスタッフの方が、猟友会の方を紹介してくれました。念願だった狩猟にも同行させてもらうことができ、イノシシの解体なども見学させてもらいました。地域おこし協力隊としても、有害鳥獣駆除という視点から「ジビエ料理」を活用した地域振興を考えていけたらいいなと思います。」

hasegawa5

イノシシの解体を見学

 


長谷川さんのお気に入り

hasegawa4 一眼レフ&広角レンズ 富山の壮大な自然をカメラに収めたい!と購入   ロードバイクのヘルメット 東京時代に購入。富山で乗ったら絶対に気持ちいい!!   狩猟関連本 狩猟の勉強本。「僕は猟師になった」はハンティングに関するもので、初めて買ったものです。   地図 富山に来て最初に手に入れたもの。どこで狩猟するか妄想するのが楽しい。   携帯電話 東京の仲間と連絡が取れる大事なツール